Plants (形を探して)

 植物は、世界を操作できるような手を持たない。けれども、かたちの構築において植物以上に手慣れた操作手を見つけるのは難しい。植物はわたしたちが住む宇宙における最も繊細な職人だ。だがそれだけではない。様々なかたちが織りなす世界を生命に対して開き、世界を無限の形象化の場にした種族である。大地は高等植物によって、様々な形態が創発し物質が彫琢されるコズミックな空間、そしてラボとなったのだ。

 エマヌエーレ・コッチャ(嶋崎正樹訳) (2019)『植物の生の哲学──混合の形而上学』勁草書房

 自宅付近の山の下に生えている植物をマクロレンズで接写しています。

 「植物は少しでも多く養分をとろうと、自分の葉がより多く光が当たるように成長します、つる草なら出来るだけ、自分が植物群の上に出ようとつるを伸ばしますし、他の植物でも一枚一枚の葉の向き、一本の茎への葉の付きかたも光をできるだけ受けられるように計算しているようです。このように合理性に基づいて、できた形だから美しい。」ともっもらしく言っても良いのでしょうが、私はただ、草むらの中を覗き込み、「何かいい形はないかなぁ」と写真を撮っているのです。